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第9便
第9便、今朝2時過ぎに富山に帰ってきました。
雨に降られたけど、充実した内容でした。

またまた日本ブラジル協会の高原さんたちの協力で
自転車を大人用、子ども用合わせて30台ほどをトラックに積んでいきました。
いつもながら、高原さんたちの積み込み技には目を見張るものがあります。
段ボール箱と自転車は、途中ガタガタしないようにビッシリ隙間なく積み込まれ、
ロープは「ちじみ縛り」と言うらしい緩まない縛り方でかわいそうなほどキツーク縛られます。
後に川淵さんがこれを「じじみ縛り」と聞き間違え、「これでジジイを縛るのかぁ、強烈だねぇ〜」と女性軍が盛り上がってました…。

最初の目的地はいつもの湊地区から少し離れた場所にある女川町。
港のそばまで行くつもりが、途中、道路に水が溢れ、しかも見ている間に水かさが増えくるので先へ進むのを断念。いつもの場所へ戻ります。

今回は心配していた通り、しっかり雨に降られました。
しかし、神はまだ私たちを捨ててはいませんでした。
いつもの場所(地面むきだし)の隣のパチンコ店の前(アスファルト)のがれきがきれいに撤去されていて、5メーター四方程の屋根付きの建物が、私たちを待っていたかのようにそこにあったのです。いや、もちろん元からその場所にあったハズですが、今まではがれきの山で、そんなものあったっけ?って感じです。それほどこの辺りのがれきの撤去が進んでいました。
玄関にあたる部分に入り口を塞ぐ形で板が立てかけてあり、日本赤十字社管理と書いてありました。入り口を塞いでも、そもそも壁がないのですが…。

周辺の今までに何度も見て写真も撮った辺りを散策しても、撤去が進んでいるのがよくわかりました。「松林の中の家の上にクルマが載っていた」と思っていた場所がただの松林になっていました。
考えたらそこは道路と道路の間にある広い中央分離帯だったんです。
家があったのは流された家がその松の間に挟まっていたんですね。
いろんなものが撤去されて、なんだか広々とした風景を見ると、それはそれで寒々とした印象でした。

魚が腐ってましたが、ハエがいませんでした。不思議です。
カラスやカモメの姿は見るけど、魚をつつく姿は見なかった。
そもそも2ヶ月も経って、いまだに魚が原型を留めてるって、変じゃないですかね?
腐ってウジが湧いて、ハエがぶんぶん飛んでいて…っていう姿を、そういえば未だに見ていない。
なんか化石のように死んでる。

さて、到着時、すでに雨がポツポツ降り始め、風の強かったので、早速そこでやることに。
大工のアベちゃんが工具箱を一式持ってきてくれていたので、高原さんが設計監督、施工はアベ組、その場所で仮設住宅ならぬ仮設炊き出し小屋をみんなで作りました。
これがなかったら相当悲惨な炊き出しになっていたでしょう。

小雨がぱらつく中、「降るなよ〜」と天をにらみながらブルーシートの上に物資を広げ始めるとすぐにたくさんの人が集まってきます。
なじみの顔もチラホラとみえ、「元気でしたか?」と声を掛け合います。

その中に、第1回炊き出しの際に、湊小学校の近くのセブンイレブンの前で物資を配った時に出会ったスキンヘッドの富塚さんがいました(名前は今回初めて知ったのですが)。
2ヶ月ぶりの再会です。
富塚興行というリサイクル業をスタートさせたということで、名刺をいただきました。
「隼」という真っ白なオートバイを買ったといって写真を見せてくれました。
先にバイクを買って、今免許を取りにいってるそうです。
「これに乗って富山にツーリングに行きます。富山には銀盤って酒があるでしょ?僕はお酒にも目がないんで」と、元気いっぱいの笑顔で話をしていました。
待ってるからね〜トミー!

つづく…(写真は後ほど)

震災1週間目から始まった川淵組の救援バスは先週1回休んだものの毎週末バスを出し、今回が9回目でした。ここでそろそろお金も少なくなってきたので、週1回のペースから月1回のペースへとなりそうです。

次回のバスは6月26日(土)を予定しています。
by kodomonoyume | 2011-05-23 10:58 | 現地レポート
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